三賢人に聞く、ウィーンで豊かに暮らす方法 

今回は、ウィーンの国際機関で働く3名の日本人――仕事での関係はないが、個人的に懇意にさせていただいている賢人たち――に投げかけた、6つの質問に対する回答を共有したい。

 このブログの全記事を通して、おそらく最も有益なコンテンツになることだろう。


30代・Eさん

Q1. ウィーン在住期間と、これまでの海外赴任・出張等のご経験を教えてください。

ウィーンには仕事の関係で住んで約2年になります。学生時代に留学や国際協力関係で英国、中国、インドに長期滞在していた他、社会人になりウィーンをはじめヨーロッパへ度々出張していました。



Q2. ウィーンで暮らしはじめた最初の頃、いちばん驚いたことは何でしょうか?

<関西に似ている? ウィーンのマダム>
ウィーンはロンドンやパリといったヨーロッパの大都市に比べると小さな街で、以前は排他的で外国人にも厳しいといわれていましたが、近年は外国人にも寛容で、比較的穏やかであり人懐っこい印象を受けます。

地下鉄などでは、向い合って座ったお互いに知らないオーストリア人同士が世間話をしていたりするのはもとより、レストランで隣に座っている人が、アジア人の私にも積極的に話しかけてくることもしばしばです。


そんなウィーンの中で、特に存在感を見せるのがマダムたち。「監視カメラのかわりにおばちゃんたちが街を守っている」と言う地元の人がいるほど、マダムたちはちょっとでも気になることがあると、すぐに我々に干渉してきます。


例えば、街中で子供が泣いていたりすると、「足が寒いからじゃないか」とか、「お菓子が足りないからじゃないか」とか、どこまで状況を見ているのか分かりませんが、こちらがドイツ語を理解しているかなんてお構いなく自分の言いたいことを言ってきます。急いでいるときなど、若干ウザく感じるほどの勢いですが(笑)、一方で子供を一生懸命あやしてくれたり、そのために用意しているかのようにカバンからアメを出してくれたりするなど、関西のおばちゃんのようなノリに、最初はとても驚きました。



Q3. 日本から持ってくればよかったと後悔しているもの、あるいは持ってきてよかったなあと噛みしめているものはありますか?
 
<日本から持ってきて良かったもの>
ラップ…こちらにもラップは売っているものの、日本の製品の方が当地の製品と比べ、接着力や丈夫さ、カッターのキレやすさなど使い勝手が非常に良く、重宝しています。

洗眼液…コンタクトレンズの洗浄液やケースは、こちらのドラッグストアのようなお店(dm、BIPA)にあるものの、洗眼液(アイボンなど)は、薬局で売られている眼病治療用の物などを除いてあまり売られていないので、必要であれば持ってくるとよいと思います。なお、コンタクトレンズ自体は、乱視などの調整を含まない近視用であれば、メガネ屋さんで処方箋がなくても購入可能です。

冷却ジェルシート…こちらでも、冷却ジェルシートはFieber-Pflasterという名前などで販売されていますが、日本より少し高め(小サイズ4枚入りで約5ユーロほど)で、サイズも小さいので、もし小さなお子さんなどいらっしゃる方であれば、あると良いかもしれません。

常備薬…オーストリアは完全医薬分業制となっており、医薬品はすべて薬局(Apotheke)で買うことになります。前述のドラッグストアのようなお店は、日用品や食品、美容や健康に関する商品はありますが、医薬品は販売されていません。薬局では、対面販売が主となっており、医者からの処方箋の提出又は店舗での薬剤師への相談により購入する形となります。医薬品の種類は、子供用も含め多種多様に揃えられていますが、不安であれば当面の使い慣れた常備薬をお持ちになるとよいかと思います。ちなみに、ウィーン市内には少数ですが日本語対応可能な病院や日本語の医療通訳の方もいらっしゃるため、いざというとき頼るのも良いかもしれません。

だし醤油、だしパック、白だし…最近は、こちらでも日本食がブームとなっているため、スーパーで醤油やのりなど一部の商品は購入可能な他、日本食材店や中国・韓国食材店では日本よりは1.5倍~3倍ぐらい割高ですが、一般的な調味料や食材を入手することは可能です。また、お米もイタリア産コシヒカリ(ゆめにしき)なども手に入るため、昔に比べて家庭でも日本食を比較的手軽に食べられるようになってきました。ただし、その種類は必ずしも多いわけではないため、だし醤油など使い慣れている調味料などあれば、お持ちになると良いと思います。なお、我が家では、日本のだし関係の食材とともに、中華だし(創味シャンタン)を持ってきて様々な料理に使っています。

「ウィーンに暮らす」…持ってくると良いものとは若干異なりますが、オーストリア日本人会が発行する生活ガイドブック「ウィーンに暮らす」には、ウィーンで生活するにあたり有用な情報が掲載されています。もしウィーンに長期間滞在される方は、お求めになると良いかもしれません。
(参考)オーストリア日本人会HP:http://www.nihonjinkai.at/


<いらなかったもの>
日本から持ってきたものの、あまり使わなかったものをご紹介します。

季節の変わり目に着る服…ヨーロッパは、日本に比べ季節の移り変わりが極端ですので、日本の春や秋に着る服を使う機会は少ない印象です。

マスク…オーストリアでは、2017年10月より「公共の場での顔を覆うベールの着用を禁止する」法律(覆面禁止法)が施行されました。マスクの着用については、医師の指導の下、着用可能ですが、市内でマスクをしている人をまず見ません。日本のような感覚で、使い捨てのマスクを持ってくる必要はありません。ただし、ヨーロッパは日本より乾燥していますので、のどを気にされる方は就寝時に着用する乾燥防止のマスクはお持ちになると良いと思います。

<Satoruの蛇足的コメント>
覆面禁止法(警察官の指示に従わず覆面を取らない者に150ユーロ以下の罰金が科せられる)は、移民の社会適応を名目としているのですが、実質的にはムスリムの女性に対する差別ではないかと物議を醸した経緯もあります。また、国連ビルもマスク着用だと入館できませんので、出張者各位はご注意ください。


我が家ではマスクの出番はわりにあります。子どもが風邪のときの(家の中での)感染防止策とか。でもウィーンでマスクを買うのって難しくて(なにしろ禁止されているわけだから)、最初は苦労しました。出張先の韓国でまとめ買いしたり、ポーランドで石炭公害用マスクを買ったりしました。まあ最終的には国連ビルの薬局に普通に売ってたんですけどね。灯台下暗しというか。


<あるとよいもの>
参考までに、こちらで購入したあるとよいものをご紹介します。

スライサー…オーストリアでは、日本に売られているような薄切りされた肉はほとんど売られておらず、ブロックもしくは薄めに切られていた場合でも、その厚さは生姜焼き用より若干厚いぐらいで売られている場合が多いです。家庭用スライサーがあれば、自分の好みの厚さに切ることができ、料理の幅が広がります。スライサーは、家電量販店などで安いものは50ユーロ前後から購入可能です。我が家では、牛肉や豚肉をスライスし、しゃぶしゃぶなどに使うほか、市場で牛タンを買い、焼肉にしたりしています。

冷凍庫…ウィーンに住む方の中には、家具付きのアパートに住まわれる方も多いと思いますが、比較的ビルトインキッチンになっている場合が多い印象を受けます。その場合、冷蔵庫の大きさが日本の家庭用冷蔵庫よりも小さく、冷凍庫の部分もそれに伴って小さい場合があります。ウィーン市内には数多くスーパーがあるため、必ずしも大量に買い置きする必要はありませんが、長期で住まわれる方は、必要があれば冷凍庫を個別に購入しても良いかもしれません。

なお、日本的な海産物が恋しいという方については、オランダの水産加工会社がアジの開きや刺身などを通信販売しています。
(参考)北海水産HP:http://www.hokkai.com/



Q4. よく晴れた週末のある日、あなたの前の会社の同期(※)が単身でウィーンまで遊びに来て、彼or彼女を丸一日アテンドする必要が生じました。必要経費はお互いで折半する形。あなたはどんなコースを案内しますか?
(※ ウィーン初訪問。海外経験は少なめ。英語もドイツ語も苦手。人あたりの良い性格だが非情なビジネスに徹することができずに出世コースから外された。だいたいいつも同期会の幹事役をやらされている)

<案内するおすすめスポット>
シュテファン大聖堂(Stephansdom)
Stephansplatz 3, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/5BribN7uFwj
料金:大人6.5ユーロ(教会への入場、祭壇前まで入らない場合は無料)
(南塔:5ユーロ、北塔:6ユーロ、カタコンベ:6ユーロ、All-Inclusive Ticket:14.9ユーロ)

世界遺産にもなっている歴史地区の中心部にあるウィーンのランドマーク。1359年に建築されたゴシック様式の大聖堂で、南塔の高さ136.7メートルは、教会の塔としては世界第3位の高さ。モーツァルトの結婚式そして葬儀が行われた場所としても知られています。長年行われてきた修復作業もだいぶ進み、鮮やかによみがえった壁面や屋根のタイルも素晴らしく、内部も重厚感のある佇まいです。


また、この教会の地下には17世紀にペストでなくなった約2,000体の遺骨とウィーン司教やハプスブルク家の人々の心臓以外の内臓が保管されているカタコンベと呼ばれる場所があります。1日に数回行われているガイドツアーに参加すれば、見学することが可能です。


なお、マリア・テレジアをはじめとする歴代のハプスブルグ家の人々の柩は、シュテファン大聖堂から徒歩約10分のところにあるカプツィーナー教会(皇帝納骨所)に安置されています。



シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)

MAP: https://goo.gl/maps/tkebTKW8mnM2
料金:大人グランドツアー(40室):17.5ユーロ、インペリアルツアー(22室):14.2ユーロ(シェーンブルン庭園の入場料は無料)、動物園:20ユーロ、迷路庭園:6ユーロ

ウィーン郊外にあるハプスブルク王朝の世界遺産にもなっている宮殿。16世紀後期に、元々小さな荘園だった場所を神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世が購入して狩猟地とし、その後様々な建築計画を経て、マリア・テレジア統治時代の1750年頃完成した宮殿です。


ハプスブルク王朝の離宮として使われるとともに、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は、晩年、王宮ではなくこの宮殿を住まいとして使っていました。宮殿内には、1,441もの部屋がありそのうち45部屋が公開されています。その中には、モーツァルトがマリー・アントワネットの前で演奏を披露し、求婚したという伝説がある「鏡の間」や、マリア・テレジアやナポレオンが会議を行った部屋などがあります。


宮殿の前方には、大規模な庭園が広がっており、季節に応じた花々の他、様々な泉水、彫像などを楽しむことができます。庭園内には、動物園やグロリエッテなどの施設があり、特に動物園は世界最古の動物園として、現在もパンダやホッキョクグマなど多くの動物が展示され、家族連れなどで賑わっています。庭園の奥、丘の上にあるグロリエッテは、約100mの回廊建築で中はカフェになっていますので、庭園散策の休憩にも良い場所です。


宮殿への入場チケットは何種類かあり、入れる部屋数などで異なりますが、特に時間に制約がなければ、グランドツアー(40部屋、所要約50~60分)が良いかと思います。シェーンブルン宮殿とともに王宮も訪れる方は、王宮との共通券である優先入場権付のシシィチケット(29.9ユーロ)が便利です。


シェーンブルン宮殿は、ウィーン観光のメインの施設でもあることから、多くの観光客が訪れます。チケットは、事前購入する必要まではないと思いますが、個人で訪れる場合は団体客を避けるため朝一若しくは、夕方ごろに行くことをおすすめします。



美術史美術館(Kunsthistorisches Museum Wien)

Maria-Theresien-Platz, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/jtS43jgNAFT2
料金:大人16ユーロ

ウィーンを収めた歴代君主が収集した美術品を集めた美術館。「バベルの塔」など世界最大のブリューゲルのコレクションをはじめ、ラファエロの「草原の聖母」やベラスケスの「青いドレスのマルガリータ王女」などの絵画を観ることができるとともに、古代エジプト・ギリシャなどの彫像等の展示も充実しています。


また、この美術館の中のカフェは「世界一美しいカフェ」とも称されており、入場者しか入れないため、もし時間があれば訪れてみるのも良いかもしれません。




<おすすめのレストラン>

ウィーンには、中心部の1区を中心に、オーストリア料理をはじめ数多くのレストランがあります。その中でも、ウィーンが初めての方にも入りやすい、個人的におすすめのお店を紹介します。

Lugeck

Lugeck 4, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/z9rTTppNBzw
オーストリアを代表する料理、ヴィーナー・シュニッツェル(仔牛肉に衣をつけて揚げ焼きしたもの)で有名なFiglmullerの系列店。本店よりも、お店が広くオシャレで入りやすい店内。ヴィーナー・シュニッツェル以外にも、ターフェル・シュピッツ(牛肉を煮込んだ)やツヴィーベルローストブラーテン(牛肉のローストにグレービーソースと香ばしく炒めた玉ねぎをかけたもの)などのオーストリアの定番料理やステーキなどのメニューも充実している。

因みに、Figlmullerは本店やこのLugeckのほかにも店舗があり、もし市内中心から少し出歩ける余裕があれば、19区GrinzingにあるFigls(Grinzinger Str. 55, 1190 Wien)をおすすめしたい。あまりイメージがないが、豚のあばら部分を照り焼きにしたスペアリブもオーストリアでよく食べられる料理のひとつであり、ここのスペアリブは絶品。



Zwolf Apostelkeller

Sonnenfelsgasse 3, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/YEJsJhZXjj72
ウィーンのレストランのスタイルの一つに、ケラーというものがある。ケラーはもともと地下のという意味で、かつて地下貯蔵庫・ワイン蔵だったものを居酒屋に改装したものを言い、市内には大小様々なケラーがあります。

このZwolf Apostelkellerは、市内の中心部にあるものの、その外観はあまり目立たないため、以前NHKの「世界入りにくい居酒屋」という番組にも取り上げられています。中に入ると、クラシカルな雰囲気の内装になっており、夜にはバイオリンとアコーディオンの演奏とともにお酒を飲みながらオーストリア料理を楽しむことができます。


ケラーでは、ウィーン歌劇場近くのAugustinerkeller Bitzinger(Augustinerstrase 1, 1010 Wien)もおすすめです。



Reinthaler Gasthaus

Gluckgasse 5, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/mRgmmgQpNsG2
ウィーン歌劇場近くにあるオーストリア料理のお店。ガイドブックにはほとんど載っていない地元の人に愛されるレストラン。地元の人が多いので入りにくいイメージですが、英語もそれなりに通じてサービスも良く、市内中心にあるにも関わらず、手ごろな値段設定でおすすめ。


Cafe Landtmann

Universitatsring 4, 1010 Wien
ウィーンは、世界でも有数のカフェ文化を持つ街であり、市内には数多くのカフェが存在しています。カフェの中にはドリンクやケーキのほか、レストランとして食事のメニューを備えているところも多くあり、このLandtmannは市庁舎前にある老舗カフェの一つで、レストランとしても人気のお店です。カフェらしく、ケーキの種類は多く、特にアプフェルシュトゥルーデル(ウィーン式アップルパイ)はおすすめです。

実は、このお店はオーストリア以外では唯一東京に支店がある。メニューは本場には及ばないが、ウィーンになかなか来られない方は、機会があれば一度試してみると良いかも。



Lola Tapas Restaurant

Gonzagagasse 14, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/GaUMfsi5vds
地下鉄U4 Schottenring駅近くにあるスペイン料理店。オーストリア料理は、一人前の量が日本の一人前より多いため、食欲を考えながら美味しいものを食べたい時におすすめのお店。


I Ragazzi, Pizzeria Ristorante

6-8, Burggasse, 1070 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/anSCQ8isHgt
地下鉄U2 Volkstheater駅近くのイタリア料理店。オーストリアの人々の好みなのか、ウィーンのイタリア料理店は、パスタがアルデンテでないところが多いが、ここのお店は、パスタもしっかりアルデンテである。特にSpaghetti alla Marinara(魚介のスパゲティ)はシーフードを味わう機会の少ないオーストリアで、ありがたい一品。


China Sichuan Restaurant(四川飯店)

Arbeiterstrandbadstrase 122, 1220 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/S8eCuAVfKFs
洋食に飽きた時、手ごろな値段で助かるのが中華。地下鉄U1 Alte Donau駅から徒歩5分ほどのところにあり、中国の邸宅、庭園を模した店構えは立派。点心や一品料理も充実している。おすすめは麻婆豆腐で通常でもそれなりに辛いが、辛いもの好きにはオリジナルの辛さを挑戦してみるのも良いかも。ランチは10ユーロ前後で楽しむことができる。

市内中心部であれば、シュテファン大聖堂近くのChina-Restaurant Mandarin(Singerstrase 11A, 1010 Wien)もよい。


私は国連ビル近くの中華料理店e-wokに行き過ぎて、ついに店員さんが私の顔を見ただけで8.9ユーロの「M1ランチ定食」を運んでくるようになりました。

Saigon Restaurant
Lehargasse 1, 1060 Wien
ナッシュマルクト近くにあるベトナム料理店。麺類、ご飯類をはじめヘルシーで、メニューも豊富。


<2日以上の滞在の方におすすめのスポット>
王宮(Hofburg Wien)
Michaelerkuppel, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/7q2jPvD9daw
料金:大人13.9ユーロ(皇帝の住居、シシィ博物館、銀器コレクションの入場料)

13世紀後半から1918年までハプスブルク王家が住居として使用していた宮殿。600年余りの間増改築が行われ、2500以上の部屋があります。王宮の中心は、皇帝フランツヨーゼフ1世の執務室や居室、その妃である皇妃エリザベート(愛称:シシィ)が自身の美の追求のため運動や化粧にいそしんだ部屋などがある皇帝の住居、エリザベートが愛用したドレスや小物などを展示したシシィ博物館、ハプスブルク家が使用してきた多数の銀器、磁器などを展示した銀器コレクションになっています。



ベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)

Prinz Eugen-Strase 27, 1030 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/8RQVUtxFxT72
料金:大人上宮16ユーロ、下宮14ユーロ、クリムトチケット(上宮と下宮のセット)22ユーロ(庭園は入場無料)

オーストリアの軍人・政治家であったプリンツ・オイゲン公が夏の離宮として、1714年~1723年にかけて建設した宮殿。上宮と下宮に分かれ、現在は美術館になっている。中でも、上宮には「接吻」をはじめとするウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトの作品やエゴン・シーレの作品が展示されているとともに、幅広い時代の絵画、彫刻を揃えている。私のおすすめは、ナポレオン1世といえば多くの人が思い浮かべるイメージの元になっている、ナポレオンが馬に乗ったジャック・ルイ・ダヴィッド作の「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」(全5枚のうちの1枚)や中東の風俗を描いたレオポルト・カール・ミュラーの作品がおすすめです。


庭園も素晴らしいので、美術館に入る時間がない場合は、庭園だけでも訪れてみるのも良いかもしれません。



ウィーン軍事史博物館(Heeresgeschichtliches Museum)

Arsenal 1, 1030 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/wg4Dqcgkq8H2
料金:大人7ユーロ

元々兵器収蔵庫として使われていた建物を利用し、オーストリア・ハンガリー帝国時代の軍事史に係る展示や第2次大戦から現在に至るまで使われた戦車、兵器などを展示。第1次世界大戦が始まるきっかけとなった「サラエボ事件」で、暗殺されたフェルディナント大公(皇太子)が当時乗車していた車両と着用していた服がそのままの状態で展示されており、興味深い。


関連記事:そして帝国は滅んだ(ウィーン軍事史博物館)



オーストリア国立図書館(Osterreichische Nationalbibliothek Prunnksaal)

Josefsplatz 1, 1015 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/Ua2MwNgmUj32
料金:大人8ユーロ

18世紀前半に建築されたヨーロッパ最大のバロック建築の図書館。宮廷画家であったダニエル・グランによる天井画やカール6世(マリア・テレジアの父)の彫像などとともに貴重な書籍が収蔵されています。



ミノリーテン教会(Wiener Minoritenkirche)

Minoritenplatz 2A, 1010 Wien
MAP: https://goo.gl/maps/N2o5YV7YZn52
料金:入場無料

地下鉄U3 Herrengasse駅近くにあるフランス ゴシック様式の教会。教会自体も立派ですが、ここで有名なのはレオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」のレプリカ。イタリアのミラノにあるオリジナルと同じサイズで、ナポレオン1世がGiacomo Raffaelliに依頼して作らせたモザイク画です。この絵は、完成後パリに運ばれる予定だったものの、完成した時にはすでに皇帝ではなかったため、オーストリア皇帝フランツ1世がこれを購入しウィーンで保管することになりました。




Q5. 中欧に位置するオーストリアは、東西南北どの方向を見ても旅行先に恵まれています。あなたがウィーンに来てから経験したなかで、「ここに行ってよかった」という国・都市はどこですか?

<モロッコ>
北アフリカにある王国モロッコ。日本人には名前は聞いたことがあるものの、あまり馴染みのない国かもしれません。しかし、元フランス植民地だったこともあり、現在はフランス人をはじめとしたヨーロッパの人々のリゾート地となっています。特に、旧帝都であるマラケシュは、世界遺産にもなっているジャマ・エル・フナ広場のスーク(市場)などまるでアラビアンナイトの世界に飛び込んだような世界が広がっており、魅力的な街です。

食べ物も、日本でも見かけるようになったクスクスや、タジン鍋を使った料理、地理的に近いこともありスペイン料理のお店なども充実しています。


ホテルもヨーロッパ圏内に比べると4つ星・5つ星のホテルでもかなり手頃で、市内にはフランス系の大型スーパーなどもあるほか、ウィーンからの直行便(所要約4時間)も運航されており、連休などに家族でのんびり過ごすのにもおすすめです。



<マルタ>

イタリアの南に位置する地中海の小国マルタは、一年を通して温暖で、夏はもちろん冬場も比較的温暖な場所です。首都のヴァレッタは幾度の他国からの侵略にも耐えた城塞都市であり世界遺産にもなっています。料理はイタリアの影響を強く受けており、有無に囲まれていることから魚介を使った料理も美味しい国です。また、マルタはマルタ語とともに英語が公用語になっており、英語も問題なく通じます。

ちなみに、ウィーンはかつてマルタを本拠に活躍していたマルタ騎士団との関係が深く、13世紀に建てられた同騎士団が運営する教会が、今でもウィーン中心部ケルントナー通りにあります。


関連記事:マルタ騎士団という準国家くらげに刺されるが、戦没者を追悼する(マルタ)



<イタリア>

多くの日本人も訪れるイタリアですが、オーストリアは南部をイタリアと接しており、飛行機、電車、車で行ける身近な旅行スポットです。ヨーロッパは、圏内を多くのLCCが行き交っていますが、オーストリア⇔イタリア間も各都市に直行便が運航しており、ヴェネツィアまでは約40分、ローマまでは1時間余りで行くことができ、シーズンによっては往復1人100ユーロ前後行ける便もあります。

数多くの世界遺産や素晴らしいイタリア料理など、何度訪れても楽しめる場所です。個人的には、イタリアでは数々の映画撮影の舞台になっていることから、ロケ地巡りもしています。また、イタリアブランドが好きな方は、イタリアでは年末年始と夏に衣料品などのセールが行われるため、それを狙ってローマやミラノにあるブランドショップや各都市にあるアウトレットモールを訪れるのも良いかもしれません。




Q6. 最後に、滞在期間を問わず、これからウィーンを訪れる人へのメッセージをどうぞ!

ウィーンは、古くから「音楽の都」として栄え、市内には多くの教育文化施設がある他、医療、交通などのインフラも充実しており、2018年には英国・Economist誌の調査部門 Economist Intelligence Unit(EIU)が選ぶ「世界で最も住みやすい都市」にも選ばれている旅行にも住むにも快適な街です。

ここに紹介した以外にも、様々なスポットや、季節ごとのイベントなども開催されています。ぜひ、ウィーンで素晴らしい時間をお過ごしください。



40代・Sさん


Q1. ウィーン在住期間と、これまでの海外赴任・出張等のご経験を教えてください。

在住期間2年。過去の海外赴任・出張等の経験はなし。



Q2. ウィーンで暮らしはじめた最初の頃、いちばん驚いたことは何でしょうか?

自分は冬に赴任したので、夕方4時頃になるとすっかり暗くなる毎日と、あまりの寒さに驚きました。たまたま寒い年に当たったのだと思いますが、-12~13℃くらいの暗い朝に子供を学校に送っていくのは最初何とも心細かった覚えがあります。

その一方で、アパートの中はTシャツ1枚で過ごせるくらいに暖房が強力(子供は汗だく)で、ヒートショックでやられるのではないかと思いました。

半年後には大変日が長くなり、明るいうちからオープン席での食事などを経験するなど、楽しい夏場との裏返しになっていることを実感し、季節のメリハリが効いているのは良いところと感じるようになりました。

あとは大変些末ですが、住民票(Meldezettel)の登録に区役所に行きましたが窓口のおばさんのやる気のない応対に驚きました。

日本でも「〇〇の市役所の人は素っ気ないよ」とかよく聞きますが全く次元が違っていました。コントかと思いました。




Q3. 日本から持ってくればよかったと後悔しているもの、あるいは持ってきてよかったなあと噛みしめているものはありますか?
 
なんだかんだ言っても大抵のものは手に入るので、あまり後悔しているものはないのが実感ですが、予備のコンタクトレンズや眼鏡は準備しておけば良かったと感じました。

自分はハードコンタクトレンズを使っていて洗浄液などは多めに日本から持ってきたのですが肝心のレンズ自体の予備には思い至ってませんでした。

先日、洗面所でレンズを落としてしまい必死で探す羽目になり、幸い10分ほどの捜索の末に結果的に無事フロアーから見つかったのですが、仮に紛失してしまった場合(ウィーンでのコンタクト作成 or全く似合わない眼鏡生活を終日)を想像すると冷や汗が出ました。使い捨てじゃないコンタクトレンズでも予備1組準備をおすすめします。

あと、前任者から聞いていて本当かなぁと思いながら持ってきた「アリの巣コロリ」が、すごい効き目でした。

私のアパートは夏場には結構アリが出るので、大家さんが現地のもの(赤くて丸い缶みたいなやつ)を置いてくれていたのですが、ある日子供がお菓子のクズを捨てているゴミ箱周辺にアリさんの大渋滞を発見して一家で大騒ぎに。

とりあえず目に見えるところからホウキなどで追い払ってから「アリの巣コロリ」を設置したところ、翌日にはピッタリと見えなくなりました。

「アリの巣コロリ」からは中にあったアリさんが好きな味のする粒が全て消費されて空っぽになっていて、こういう分野でも日本の技術とか品質とかが優れているんだろうなぁと家族で感謝しました。

おまけですが、全然要らなかったものはマスクです。日本では毎日のように付けていたし、品質も良いはずと思って持ってきましたが確か法律で顔を隠して街を歩くのがセキュリティ上アウトということで皆さん全然つけておらず全く無用の長物でした。



Q4. よく晴れた週末のある日、あなたの前の会社の同期(※)が単身でウィーンまで遊びに来て、彼or彼女を丸一日アテンドする必要が生じました。必要経費はお互いで折半する形。あなたはどんなコースを案内しますか?
(※ ウィーン初訪問。海外経験は少なめ。英語もドイツ語も苦手。人あたりの良い性格だが非情なビジネスに徹することができずに出世コースから外された。だいたいいつも同期会の幹事役をやらされている)

ありきたりですが、やはり旧市街の美しい建物とか有名どころを見せてまわるのかな、と思います。

(1)とりあえずトラムに乗ってリング道路側に沿ってざっくり建物見物(オペラ座、国会議事堂、市庁舎、ヴォティーフ教会とか)
 マルクトなどがある時期であれば、市庁舎前で降りてブラブラし、ワイン1杯くらいを景気づけ。

(2) 市内を歩いてシュテファン寺院、ペーター教会、王宮など見学
 王宮見学は長いし、自分自身も何度も行くものでもないので、本人に希望がなければ中には入らないかも。

(3)ランチは市街でシュニッツェル
 せっかくなのでフィグルミュラーに行ってみて、無理なら別のレストランで。

(4)午後は美術史博物館
 マリアテレジア像のあたりで記念写真も撮影。

(5)旧市街に戻ってカフェ案内(ザッハーとかデメル、ツェントラルとか有名どころ)しつつどこかで入店して暫く休憩
 適当にお土産を買わせつつ、最終的にはあまり混雑してないスルーカとかオーバーラーあたりに入る可能性大。

(6)市街から移動してカーレンベルクの丘へ登って景色を見る

(7)帰りがけにグリンツィングのホイリゲで夕食・痛飲
できれば明るい時間帯に屋外で飲む心地よさを味わってもらう。

明るい時間からワインを飲む。背徳感と開放感のブレンドが最高ですよね。またウィーンのホイリゲ(ワイン酒場)には敷地内に子どもの遊び場を置いてあるところが多くて、子連れでもたのしめる仕様なのがまたすばらしい。日本でも「遊具つき居酒屋」をやったら結構ウケると思うんですけどね。




Q5. 中欧に位置するオーストリアは、東西南北どの方向を見ても旅行先に恵まれています。あなたがウィーンに来てから経験したなかで、「ここに行ってよかった」という国・都市はどこですか?

スイス・チューリッヒからグリンデンワルトにアルプスの山々を見に行きました。

自分は極めてインドア派なので、当初はあまり興味はなく、只々家族旅行に際して「子供たちが喜びそう」くらいでいたのですが、実際に現地で景色を見るとその壮大さに圧倒されてしまいました。

本格的な登山ではなく、ロープウェーで登れる範囲ということでフィルストに登ったのですが、ロープウェーから見える景色がまた素晴らしかったです。

うちの場合は子供がまだ小さかったので、帰りもロープウェーで降りてきましたが、レンタルバギーなどで山を下っていく人も多くとても楽しそうでした。

こちらに来てから時々家族旅行にも行っていますが、未だに子供たちにどこを覚えてるか聞くと「スイスのお山がきれいだった」と言っているので彼らの印象にも確実に残っており「行ってよかった」と思います。(それ以外の旅行で行ったところや食べたものなどは子供たちの記憶ではごちゃ混ぜになっている部分もあるようです。。。)

なお、値段的にもスイスなので店・レストランなどは高めでしたが、格安航空会社(自分たちは今はなきエアーベルリンでした)で飛行機は意外と安かったのも良かったです。




Q6. 最後に、滞在期間を問わず、これからウィーンを訪れる人へのメッセージをどうぞ!

ウィーンは音楽や歴史など見所が多いだけでなく、大都会とは違って全体としてのんびりした温和な雰囲気が心地良い街と感じます。 

こちらの人々は子供には特に優しい(座席とかも必ず譲ってくれます)ですし、家族連れで安心して楽しめると思います!




50代・Kさん


Q1. ウィーン在住期間と、これまでの海外赴任・出張等のご経験を教えてください。

ウィーン在住期間は約2年(ちょうど本稿執筆後に帰国)。25年前に半年間、米国NY州Albanyに家族で赴任。

派遣元在職時は、欧米アジア8か国への海外出張を経験しました。20代のころは、バックパック担いで、欧米と中国をよく旅行していました。




Q2. ウィーンで暮らしはじめた最初の頃、いちばん驚いたことは何でしょうか?

いろんなことにびっくりして絞り切れません&しばらくしてからもいろんな発見があったので、到着間もない時の感覚でないものも含めて、ごっちゃですが記載します。

1. みな体が大きい。
 比較的小柄な家内は、地下鉄で窓際の空いている席に座るとき、最初のころは威圧感を感じて怖かったそうです。ほどなく慣れたそうですが。

2.道行く人はマスクをしていない。(というか、日本ではマスクが多すぎ)
 当地では法律により、医師の診断書がないとマスクはできない。

3.普通に水道水が美味しい。
 地方の教会にいったとき、近くで水売っているか、と聞いたら、「トイレの洗面所で水を飲め」と言われた。実際、十分美味しかったです。
 日本に帰国したら、やはりカルキ臭い感じでした。

4.時間におおらか。

 オーストリアだけでないが、交通機関の時刻表はあくまでも目安。
 多少遅れてもだれもいらいらしていない。
「日本では数秒早く出発した鉄道の運行会社が陳謝」したことが新聞記事になっていました。
 待ち合わせ等も、やばいビジネス関係はともかく、大抵は数分の遅れは誰も気にせず。ひどい時は半分以上が時間とおりに来ない。

5.地下鉄、バスとも改札がない。(検札がたまにあり、違反時の罰金は高額)

 ロンドンやパリのような大都会と違い、気楽。なお切符は、週間チケット、年間チケットを買っておけばいちいち切符を買わずに済み、しかも上限額が決まっていて安心。

6.犬が電車に乗ってくる。しかも吠えない。

 しつけがしっかりしている。口輪をしてなくても、通路or座席の下でおとなしくしている。

7.街がコンパクト。

 思ったより小さい。主な観光地が集中する1区(町の中心部、リンクという環状道路の内側)を、20分で歩いて横切れる。

8.職場では、遅くまで残る人が少ない、特に金曜日。

 とはいえ、休日に出勤している人もいるし、人それぞれ。但し全体的に労働時間は日本より短い。

9.飲み会が少ない。

 駐在後半には日本人との付き合いが増えた結果、飲み会が日本並みに増えました。。。

10.(イベント限定)更衣室が男女同室

 音楽イベント出演を60回以上経験しましたが、出演者控室がないか、あっても男女同室。
 着替えは、小中学校の体操服の着替え宜しく、何の違和感もなく、男女ともその場で着替え始めます。
 ちなみに衣装が黒いことが多かったからか、女性の下着は皆、黒でした。(見るな!)

11.銀行口座は、口座維持料がかかる一方、何時でも何曜日でも手数料なしで、どこの銀行からでも現金を口座からおろせる。

 得かどうかともかく、いつでもどこでも現金をおろせるので、手数料を気にする貧乏人にとっては精神的に楽。

12.スーパーを含め、ほとんどの買い物が銀行カード一枚でできる。

 少額ならサインやPIN入力不要なのも便利。あとで使用履歴を振りかえれたのもgood.
 11項で現金が下せる、と書いたが、実際にキャッシュが必要な場面は少ないです。カードを使えないのは駅のトイレと、屋台、飲み会での割り勘の時くらい。

13.  たいしてうまいものに巡り合わなかった。

 ほとんど安い物しか食べなかったので、Satoruさんの相関図のとおり、「すごく美味しいもの」に巡り合わなかった。
 誰にでもお勧めできると思ったのはPlachuttaのTafelspitzくらい。
 ちなみにフランス人の同僚は、まともなフランス料理を出す店が一つもない、と嘆いていました。日本料理は?


私の知己のロシア人も(2名とも)似た回答でした。「うまい店はゼロ。黙ってロシア人御用達のスーパーMix Markt(Магазины)に行け」との由。でもこのお店はよかったです。国連ビルの売店よりもイクラが新鮮でした。


それから私見100%で言えば、在ウィーン韓国人のコミュニティは発達しているので(日本料理チェーン店Akakikoも韓国人経営とは有名な話)、韓国料理店のレベルは全体的に高い気がします。イタリア料理店も(よく探せば)悪くない店がわりにあります。このあたりは、またどこかで別途記事を書こうと思います。


14.旬のものは美味しい。
 旬のもの(Pilz [キノコ]やアスパラガス等)は美味しい。
 というか、旬を外すと食べられない。(温室栽培はなく、輸入の安いものがない限り、売り場から消える)



Q3. 日本から持ってくればよかったと後悔しているもの、あるいは持ってきてよかったなあと噛みしめているものはありますか?
 
炊飯器(加圧機能付き)
 どんなお米でもおいしく炊けたように感じました。当家は中国輸出向けの5合焚きを航空便で送りました。

日本の100円ショップグッズ
当地では大変高い or/and 手に入らない。(茶葉を入れられるお茶パック、洗濯ネット、風呂用たらいとか)

海外用電気プラグでつなぎ口が二つ以上あるもの
コンセントが一つしかない時に、携帯以外にカメラなど別の機器をつなげて便利。

いぐさスリッパ
当地では入手困難。


私も「ミサトっ子」の草履を2足ほど日本で買って、こちらで履きつぶしております。

持ってくれば・・・と後悔しているもの
衣類は、サイズが合わない、高い。ユニクロ(フランスにはあったがウィーンにはなし)の靴下、下着類などは日本からもっと持ってくるべきだった。

靴も、今一相性が悪かった(やたらごつい、でかい。丈夫なのはよいが、安くて軽い中国製のものにはお目にかかれなかった)

和食食品を持ってこればよかった、という人も多いようですが、当家は現地食品に抵抗がなく、困った感じはなかったです。

強いて言えば、そばの麺つゆ、削り節パック、ごま、昆布など、当地では高くて買う気がしなかったので、一時帰国時に日本から持ってきました。



Q4. よく晴れた週末のある日、あなたの前の会社の同期(※)が単身でウィーンまで遊びに来て、彼or彼女を丸一日アテンドする必要が生じました。必要経費はお互いで折半する形。あなたはどんなコースを案内しますか?
(※ ウィーン初訪問。海外経験は少なめ。英語もドイツ語も苦手。人あたりの良い性格だが非情なビジネスに徹することができずに出世コースから外された。だいたいいつも同期会の幹事役をやらされている)

ご質問にある「彼」は、最初の2つ以外は全部私にあてはまりますが、それはさておき。

実際に行った詰め込み観光コース@6月です。ウィーンが初めての30代の2人にいろいろ見て欲しいと思い、以下のように引きずり回しました。


(1)ウィーン到着翌日、朝9時に、Schwedenplatzのホテル出発


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(2)1番トラムで半時計回りでリンクを移動。車窓からVotiv教会ウィーン大学カフェラントマン市庁舎、工事中の国会議事堂を眺めつつオペラ座前へ


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(3)オペラ座を外から見た後、ケルントナー通りを北上。ホテルザッハーではビバルディ死没地の銘版を見せる


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(4)シュテファン寺院、343段の階段で南塔に上る(日曜AMはミサのため、北塔のエレベータは運転せず)。結構足に来る


 


(5)金ぴかのペータース教会内部を覗きつつ、グラーベンコールマルクト通りを散歩。有名な菓子屋デメルの前で、ショパン住居の銘版を見せる


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(6)ミヒャエル教会。ペータース教会とは趣の異なる質素な教会でモーツァルト葬式の銘版を見せる


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(7)王宮にてシシィチケット(王宮とシェーンブルン宮殿のセット券)を購入、王宮を見学(1時間程度)


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(8)王宮のレジデンツ・カフェ(シェーンブルンのカフェ、カフェラントマン、カフェモーツァルトとメニューが同じ)で昼食


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(9)トラムでカールスプラッツに移動、U4でシェーンブルン宮殿へ。正門でなく、一つ手前のマイドリング駅から63Aのバスに乗りグロリエッテ脇の門から入る。グロリエッテ展望台から宮殿と街並みを眺めた後、坂を下って(=逆コースは上りで疲れる)宮殿へ行き、見学(1時間半程度)

※予めシシィチケット購入済なので、宮殿への入場時間の指定なし&正門まで行かなくても宮殿に入れる

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(10)U4でハイリゲンシュタットへ行き、38Aバスでカーレンベルク展望台


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(11)バスで街まで戻り、ホイリゲ(この時はMayer am Pfarrplatz)で夕食

(元気があれば30分程度で街まで歩いて下れるが、お疲れだったので38Aのバスを利用)

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(12)19時頃、ホテルへ帰着

(まだ明るいので、元気があればStadtparkまで行ってシュトラウス像を見せたかったが、お疲れなので断念)
※ これだけ回ればお腹いっぱいかと。あとはベルベデーレ、博物館、買い物を別の日にお勧め。



Q5. 中欧に位置するオーストリアは、東西南北どの方向を見ても旅行先に恵まれています。あなたがウィーンに来てから経験したなかで、「ここに行ってよかった」という国・都市はどこですか?

東欧は旧ユーゴ以外は全て回りましたが、まだ素朴なところがあり、物価が安いうえ、治安も余り不安がなく楽しめました。

自然に恵まれたところはどこもきれいでしたが、特にクロアチアの首都ザグレブからバスで2時間ほどの、プリトヴィツェ湖群国立公園は予想外にきれいでした。


プリトヴィツェは7・8月は入場料が倍近いので、それ以外の時期(真冬はクローズ)の訪問がお勧めです。


なお、ウィーン近郊はハイキングコースが整備されていて、遠くに行かずとも十分楽しめます。


あと、食レポではないですが、フランスでは何食べても美味しかった気がします(特にソース)。また、芋の美味しい食べ方もドイツに一日の長があると思いました。




Q6. 最後に、滞在期間を問わず、これからウィーンを訪れる人へのメッセージをどうぞ!

だいたい上記に申し上げたとおりですが、付け加えるとすると、概ね治安は良好なものの、コソ泥・スリにはご注意ください。

公共交通機関が便利で、大抵のところにロスなく行けますので、ご活用下さい。

夏場は日が長くて屋外活動が楽しい一方、音楽イベントは6月で終わりですので、季節に合わせてお楽しみください。

コメント

匿名 さんのコメント…
ウィーン在住ブログを探していたらこれの記事がヒット。
賢人の生活の智慧とても参考になりました!ウィーン在住したくなりました!
Satoru さんの投稿…
この記事には「三賢人」の知見が凝縮されているので、ウィーンに来る前に読んでも、住みはじめてしばらく経ってからでも滋養のある記事だと思います。ぜひ熟読玩味くださいませ!