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ブードゥー・ジャズの人から連絡があった

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デイリーポータルZ編集部からインタビューを受けた。 いま、ブードゥー教 発祥の地にいます~Satoruさんインタビュー https://t.co/mtsh1Tmauw ・辺境の紀行文を得意とする、ライターSatoruさんのインタビュー ・現在ブードゥー教の発祥の地であるベナンに滞在中 ・ライター登用時の裏話や、セミリンガルについての話題なども。 — デイリーポータルZ (@dailyportalz) 2020年1月18日  先月に運よく好評を博した アジャリア自治共和国の記事 に絡めた取材である・・・はずが、なぜかブードゥー・ジャズの話題で盛り上がった。それもまた良し、なのだが。  「Ouidah Jazz Vodoun 2020」 は、実際にすばらしいイベントであった。  まず、会場がどこにあるのか判然としない(パンフレットに示された住所がGoogle Mapに出てこない)というのが良かった。  メールで問い合わせても、即座にエラーメッセージが返ってくる。  電話番号から WhatsApp でつながろうとしても、なしのつぶてだ。  ゆえに、音楽祭の会場にたどり着くためには地元民への聞き込みが必須となるのだが、 それと示唆された場所に足を運んでも、 いまいち確信を持てない。そんなところが、とても良かった。   ジャズの精神を、私は感じた。  でも夜になって来てみると、会場は完全に「できあがって」いた。 マイクを持った少年が、コンサート中ずっと集音していた  世界各国のブードゥー・アーティストを招聘した国際的音楽祭と思いきや、お客さんはほとんどが地元の人たち。めずらしい外国人であるところの私には、なぜか来賓席みたいな最前列にシートが用意された(無料だった)。 子どもたちにコール&レスポンスを呼びかける司会者。NHKの幼児番組のようだった  このコンサートを満喫してから約1週間後にーーつまり昨日の晩にーー私の携帯電話の WhatsApp が、唐突に着信音を鳴らした。  送信者は、 「Ouidah Jazz Vodoun 2020」 の電話番号だった。  会場について質問したときは無反応だったのに、ここにきて、突

三土たつおさんと対談した

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デイリーポータルZで、 三土たつおさんとの対談記事 を掲載した。  サウジアラビア等の三角コーンについて1万字ほど語るという、わけのわからないコンテンツができあがった。 本邦初公開! これがサウジアラビアの三角コーンだ Satoru: 先日、サウジアラビアの首都・リヤドに仕事で行ったのですが、あちこちで三角コーンを見かけました。 三土: おお...! (上の写真を見ながら)日本では見かけないデザインで新鮮ですね。 Satoru: こんなにたくさんの三角コーンを見かけたのは、どこもかしこも工事中だったからかもしれません。 三土さんを賛美する 三土さんは、かねてより私が敬愛するライターである。 渋谷の交差点から人をじわじわ消す https://dailyportalz.jp/kiji/shibuya-nobodify  たとえばこの作品。数万点に及ぶデイリーポータルZの記事群にあって、最高傑作のひとつだと私は思う。  まず、発想がすばらしい。現代アートにも通じる瑞々しい感性がある。それでいて三土さんの筆致は柔らかく、読者に前知識を求めない。長時間露光に基づいた画像処理のプログラムを 「多数決露光」 とネーミングする、その(さりげない)センスの良さ!  渋谷の交差点から人が消える。非日常の光景が醸し出す驚きと侘び寂びを、読み手に無理に押しつけない慎ましい文体もいい。主観と客観の位置どりが絶妙というか、こんな文章は誰にも書けるものではない。  文章とはおそろしいもので、どれほど推敲を重ねようとも、書き手の人格を払拭するのは不可能に近い。自己卑下の裏側にしまい込んだ傲岸な自尊心も、中立の顔をした排他の精神も、見抜く人には見抜かれてしまう。まったく困ったものである。  けれども三土さんの文章には、全体に愛情がコーティングされて、その外殻を剥いでもまたべつの愛が顔をのぞかせるような、そうした心地よい温度感がある。  「この人は信頼に足る人だ」 と私は思って、それでデイリーポータルZのライターになって日の浅いうちにコラボ記事の案をオファーした。三土さんと初めて対面する1ヶ月ほど前の話である。 「街角図鑑」 から引用(p.17)。三土さんの解説が優しい世界観をつくっている 同引用(p.132)。 赤瀬川原平