投稿

7月, 2020の投稿を表示しています

著者解題【2019年】

イメージ
このブログはまもなく終了となるが、その前に、2019年に公開した記事(全34本)を解説する試みを果たしたい。これは 「著者解題【2018年】」 の続篇である。  前回と同様に、付き合いの長い読者に向かって、ひっそりと種明かしをするような心持ちでやっていきたい。 1.  壊されなかったのは偶然だった(クラクフ) https://wienandme.blogspot.com/2019/01/blog-post.html  2019年の1本目。ポーランドの古都クラクフの家族旅行記。  この頃は、旅行ペースが執筆ペースを上回って、忘れないうちに原稿を完成しないとならないとの焦りがあった。  いまにして思えば、それはまったく無用な焦りだった。なぜなら、たしかな材料さえ揃っていれば、数か月程度のインターバルは、むしろ記憶の自然な浮き沈み(=無意識の力を借りた題材の取捨選択)を促すための適切な熟成期間となるからだ。  クラクフは訪れる価値のある、静かで美しい町だった。その1年後には北極圏に向かう旅のトランジットとして、同じポーランドの グダニスク に出かけた 。この土地は第一次世界大戦後のある時期に、どの国にも属さない 自由都市ダンツィヒ と呼ばれていた。  西と東の列強に翻弄されつづけたポーランドは、私がウィーン滞在中に旅行したなかで最も心惹かれた国のひとつだ。 グダニスクの旧市街 2.  ナチスドイツと東京メトロが共存する空間(ウィーン交通博物館) https://wienandme.blogspot.com/2019/01/blog-post_5.html  ウィーン郊外にある交通博物館を子どもたちと訪問したときの記録。  ウィーンの観光名所の紹介は、基本的に拙ブログの射程外としていたのだが(ほかにも多くの適任者がいるだろうから)、この交通博物館にはなにしろ私も息子たちも大興奮であった。そのときの心の動きを封じ込めるようにして、すっと一息に書き上げた。自分でも気に入っている記事である。 新型コロナウィルスの影響で、路線図の布マスクが新発売となった 3.  これが人生初の一時帰国だ(東京) https://wienandme.blogspot.com/2019/01/b