Qちゃんの効用

 バークレーで生まれウィーンに暮らす4歳の息子は、このままだと日本語の読み書きを覚えない。そこで役に立っているのが「オバケのQ太郎」である。本当は自分が読むために持ってきたのだけれど、息子はすっかりQちゃんの虜になった。

 でも読ませているうち、いくつか息子が誤解している箇所に気がついた。たとえば電信柱。「Qちゃんの街には教会がいっぱいあるんだねぇ」と言うので何かと思ったら、電信柱を教会の十字架と解釈していたのだ。そういえばウィーンに電信柱ってほとんどない。電線の多くは地中化されてたり、建物の間に結びつけられていたりするからだ。

 とはいえ全体としては通じる部分の方がずっと多い。雪だるま、おばけ大会、ピクニック。ご飯を食べ過ぎて苦しくなるお腹。お母さんに怒られてもずっと遊んでいたいという気持ち。

 1966年10月号の雑誌「よいこ」に載った6ページ10コマの漫画は、いま、2018年1月の4歳男児に、500回くらい繰り返し読まれている。


オバケのQ太郎

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