ウィーン空港から市内へは、普通電車Sバーンがより安い
この記事のポイント
・ウィーン空港から市内への「足」は、普通電車Sバーンがおすすめ
・Sバーン(片道4.2ユーロ)は、特別電車CAT(片道12ユーロ)と所要時間に大差なく、車内も快適
・数日間乗り放題のチケットを買うのもあり
・ウィーン空港から市内への「足」は、普通電車Sバーンがおすすめ
・Sバーン(片道4.2ユーロ)は、特別電車CAT(片道12ユーロ)と所要時間に大差なく、車内も快適
・数日間乗り放題のチケットを買うのもあり
まえがき
ありがたいことに、最近、ウィーンを訪ねてくる人が増えてきた。仕事でお世話になった方。悪事を一緒に働いた輩。ブログを読んで私に会おうとされる人。その背景はさまざまだ。
どうしても都合がつかずに謝絶するケースもあるのだが(例:いまはスリランカのコロンボで本稿を書いている。1ヶ月半前に爆破テロ事件があった場所だ)、「来る者は拒まず」が私の基本ポリシーだ。去る者についてはケースバイケース。
ウィーン初訪問の向きには、ブログの記事(例:「三賢人に聞く、ウィーンで豊かに暮らす方法」、「でもウィーンにいるなら、クラシック音楽をやはり聴きたい」)を紹介することもある。けれども標題のトピックについては、まだ一度も記していなかった。
そういうわけで、今回は「ウィーン空港から市内への行き方」についてご案内します。
【選択肢①】タクシー(約50ユーロ)
あなたがスーツケースの山に囲まれて、さらに物理学でいうブラウン運動の挙動を示す元気な子ども(たち)を従えている場合、タクシーは有力な選択肢となるだろう。ウィーン空港はさほど大きくない。出口からすぐに乗り場が見つかるはずだ。タクシー業者の出入りはしっかり管理されているようで、ぼったくりの被害もまるで聞かない。
市内中心部への相場は約50ユーロ。ちなみにUberでもほぼ同じ料金である。
【選択肢②】徒歩(0ユーロ)
資本主義からの脱却を目指したいあなたには、「徒歩」という選択肢も捨てがたい。私の旧来の友人であるG・M君(Google Map君)によれば、ウィーン空港からシュテファン大聖堂までは徒歩で約4時間。道中にはOMV社の巨大な石油精製所があり、楽聖が眠る中央墓地があり、美しく青きドナウ=アウエン国立公園もある。ほとんど無人の緑地帯を抜け、あるポイントから繁華なる建築群がにわかに立ち現れるのを歩き見て、あなたはきっと、古都ウィーンの創生を追体験することだろう。
状況が許せば、自転車を持ち込んでドナウ川沿いを悠々と走るのも悪くない。人生の贅沢はここにある。
【選択肢③】特別電車CAT(12ユーロ)
意気揚々とウィーン空港に到着したあなたは、「ウィーン市内まで直通16分!」の惹句をあちこちで見かけることだろう。City Airport Train、これを略してCATという。けれども私は、(営業妨害をするわけではないけれど)あえてCATに乗る必要もないだろうと思っている。「一見の観光客をターゲットにした計画的集金装置」などと過激なことは言わないが、個人的な意見を具申するなら、12ユーロに見合うほどの価値はない。というのは、
【選択肢④】普通電車Sバーン(4.2ユーロ)
ウィーン空港駅から市内まで、「S7線」の一本で行けるSバーンがあるからだ。各駅停車だと30分くらいかかるが、快速(Railjet)なら15分ほどで行けてしまう。そして私の観察するところでは、ウィーンの地元民たちは概ねみんなこのSバーンを使っている。CATとあまり変わらない所要時間で3分の1ほどの料金なのだから、まあそれはそうだろう。
Sバーンは正式名称をStadtbahnという。Stadtは「都市」、Bahnは「鉄道」という意味である(「高速」のSchnellを指す場合もある)。同じように、「地下」のUntergrundに由来して、地下鉄のことをUバーンと呼ぶ。ウィーンのみならず、ドイツ語圏は総じてこうした名称であるようだ。
ここで余談。
ウィーンに来てまだ日の浅いとき、Bahnがドイツ語で「鉄道」であると知った私の胸中に、とあるマンガのキャラクターが浮かびあがってきた。
そう、それは「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」に出てくる最強の敵、
大魔王バーンである。
あの作品が連載されていた頃、私は小学生だった。いつか来る旅立ちの日に備えて、ひとりビニール傘でアバンストラッシュ(作中の必殺技)を練習する小学生だった。
大魔王との対決シーンには、だからもちろん打ちのめされた。少年ジャンプを握りしめて、「これはもうだめだ」と瞑目した。あのときの恐怖の残滓は、いまなお心に留まっている。
しかし、ひとたびドイツ語の知識を得て、その印象に避けがたく変容が生じた。
大魔王【鉄道】。
なんだろう、いきなり平和になったというか、闇のオーラが一気に消え去ってしまった感がある。そこには食堂車で白ビールを注文したくなる感がある。
それから「ダイの大冒険」には、魔影参謀ミストバーンという、これまた味わい深い名悪役が登場する。「Mist」は英語で「霧」だから、「霧の鉄道」とはいかにも旅情が漂ってくる。だが、ドイツ語で「Mist」とは「うんこ」のことである。
魔影参謀【うんこ鉄道】。
謎めいた覆面を身に纏う名悪役、ミストバーン。その正体は、あまりにも、あまりにも意外であった。
あとがき
なんの話をしていたのか、わからなくなってしまった。「ウィーン空港駅」での乗車券の買い方を下記に示し、本稿を閉じることとしたい。
バゲージ・クレームの手前でこういう広告がある |
あわてて購入してしまいがちだが、これは罠である(※個人の感想です) |
駅構内にある券売機。左がCAT、右がSバーン |
24/48/72時間チケットを買う手もある(地下鉄、バス、トラムにも乗れる) |
快速電車(Railjet)が来れば、CATより早く市内に行けることも |
車内はすこぶる快適 |
乗り過ごしてザルツブルクに行かないように気をつけたい |
(2019年6月11日追記)
オーストリア国鉄ÖBBには、日本における「特急料金」に相当するものは存在しない(CATは唯一の例外)。
「指定席券」のシステムはあるけれど(1等車では必須)、特に買わずとも困らないケースがほとんどだ(註:我が家では2時間以上の子連れの移動時のみFamily Zoneの指定席券を購入している。大人1名で3ユーロ)。空港~市内のRailjetなら、まず間違いなく不要である。
より詳しくは、オーストリア国鉄ÖBBの解説ページを参照ありたい。
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